銀髪の魔女と青の魔術書『エピローグ』

エピローグ

2018年6月25日
銀髪エピローグ.PNG
ヒスロスでロレーナが遺体で発見されてから数日が過ぎたころ、ラウルが黒熊亭に姿を見せた。

彼が言うにはロレーナの埋葬も終え、ようやく彼の叔母であるスフィーダも元気を取り戻し始めているということだそうだ。

「あなた方には、彼女が何故あのような行動に移ったのかを説明しておきたくて参りました。」

いつに無く重苦しい表情でラウルはゆっくりとロレーナのことを語り始めた。

「彼女はハートウッドで生まれたエルフでした。彼女の両親は旅をするのが好きで、よく幼い彼女を連れては色々な場所へ出かけていたそうです。ところがある日、ムーンゲートをくぐる先を誤ったのでしょうね。フェルッカのとある森へと迷い込んでしまったそうです。」

「皆様もご承知のとおり、フェルッカは略奪者や殺人者が多く闊歩する地。森をさ迷い歩いているうちに、彼らは襲われ、両親はその場で命を落とし、幼いロレーナだけが逃げ延びることが出来たそうです。」

「その後、森の中で、偶然彼女を拾った叔母は彼女を家につれて帰り、それから10年の間本当の親子のように一緒に暮らしていたのです。私にとっても従妹のような、そんな存在でした。」

黒熊亭に居合わせていた冒険者たちは皆、真剣な表情でラウルの話を聞いていた。

「彼女は、両親の復讐を果たそうとして、あの魔術書を持ち、各地のダンジョンへ向かったのでしょう。…10年間、一緒に暮らしてきていましたが、そのような彼女の心の底は私も叔母も見抜くことが出来ませんでした…」

「せめてお世話になったあなた方には真実を伝えておきたかった。本当にありがとうございました。」

そう言って冒険者たちに一礼をした後、彼は冒険者たちにスフィーダから受け取った報酬を支払い、黒熊亭を後にするのだった…

(終了)

  • 最終更新:2018-06-26 01:34:51

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード